教育担当師長からのメッセージ

看護を学び続けられる環境を目指して
       看護は学びの連続

教育担当師長 市川美生

 教育担当師長として、患者さんの安全、安楽を守れるように、看護職員が看護を楽しみながら行えるようになるためにも、看護を学び続けられる環境を整えていきたいと思っています。

看護を学び続けられる環境を目指して 看護は学びの連続

  令和6年4月より専従の教育担当師長として活動を開始しました。
私にとっては、新任地での新たな挑戦の開始です。着任後の最初の仕事は、新採用者オリエンテーションへの参加でした。今年度新たに採用された新人看護師や理学療法士の方と共に病院のこと、法人のこと、医療に携わるものとしての大切な心得などを確認していきました。
 

 
 看護部のオリエンテーションでは、病棟で看護技術体験を行うために付き添いながら病棟の様子を確認し、看護職や介護士(ワーカー)が多様な働き方や、制限のある中でも生き生きと働いている姿に感銘を受けました。
 私にできることは何だろうかと考えると、患者さんにより良い看護を提供するために、そして看護職ひとりひとりの成長と看護の楽しさを知ることを願って、学び続けられる環境を提供することではないかと考えています。
 

看護の原点に返る~患者さんから多くのことを学んだ日々

 私の若かりし頃を振り返ってみると、特に看護師として数年経ったころ看護の仕事にも慣れ、あたかも全てを知ったかのように粋がっていた時期がありました。(今振り返ってみるととっても恥ずかしく穴があったら入りたいくらいに・・・)

 当時“患者中心の看護”をしたいとの思いから『患者さんのために』看護師である私が何とかしてあげたいと息巻いていたように思います。
患者さんに向けて、『こうした方がいいですよ』『いやいやそんなことしていたら良くならないですよ。こうしましょう。』と、看護師である私の言う通りにすれば良くなるのだといわんばかりのことを口にしていたように思います。『・・・をやってあげた』とか『・・・を説明したのになぜやらないの』など心の中ではつぶやいていたように思います。どう見ても私という“看護師中心の看護”をしていたのだと反省しきりです。

 そのような中で、安静が守れない慢性心不全で入退院を繰り返す高齢の患者さんと出会いました。
 ベッド上安静にもかかわらず、気になることがあるとすぐに動きだしてしまうのです。
毎日何回も注意することの繰り返しでした。入院のきっかけも畑の草取りで無理をしてしまったことでした。

 ある日その患者さんの話を聞いてみると「他の人に迷惑をかけられない。草が生えていたら、すぐに抜かないと他の人の畑にも迷惑が掛かってしまう。気が付いたらすぐにやらなきゃいけないんだ。」とのことでした。

 その患者さんが大切にしてきた価値観に触れた瞬間でした。
 その患者さんの安静を守るためには、患者さんが何を気にして行動するのかを確認し、患者さん自身に行ってもらうこと、他の人に支援してもらうことなどを患者さんと話し合い整えていく必要があったのです。

 それまでは入院の原因となった症状の改善に取り組み、家でも安静に過ごすように指導し退院の日を迎えていましたが、退院に向けてご家族とも話をしながらできるだけ長く家で安定した療養生活を送れるように退院後の生活の調整をすることができました。

 また退院調整の研修で訪問看護師と患者さんの自宅を訪問させていただいた時、私の生活環境とはまるきり違う環境がそこにあり、患者さん(利用者さん)は、その環境の中で病気や障害を持ちながらも生活をしていることを再認識させられました。
 その経験は、それまで私自身の価値観で固めた思考の中で患者さんの生活を見ていたのだと気が付くきっかけとなりました。
 
 
 

『病と共に生きる』

 『病と共に生きる』慢性疾患看護を学んだ時に目にした言葉です。その患者さんが何を大切にしながら病と向き合っているのか、その患者さんの価値観を知り、患者さんと共にどのような方法なら生活の中で治療を継続できるのかを考えていくことにより、『その人らしく生きる』ことを支援していくことができるのではないかと考えています。

 そしてその過程の中で、患者さんや家族の方と喜びを共有したり、時には悲しみを乗り越えるための手助けをしたりしながら看護をより深く考えるきっかけとなりました。
 

私にとって看護を楽しむための一つ

 私が考える看護を楽しむためのもう一つは『チームで取り組む看護』です。看護はチームで成し得るものだと考えています。看護チームとして、また多職種との協働の中で多角的に患者さんのことを考え、患者さんにとってのベターな状況を生み出せることによりやりがいにつながるのではないかと考えます。

 教育担当師長として、患者さんの安全、安楽を守れるように、看護職員が看護を楽しみながら行えるようになるためにも、看護を学び続けられる環境を整えていきたいと考えます。
 









 

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